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語るに足る、ささやかな人生

先日、友人がツイッターにて「語るに足る、ささやかな人生」という本について触れていた。本のタイトルも、著者の名前も恥ずかしながら全くの初見。俺は本読むのは好きなんだけど、好きな作品があるとその著者のものばっかり読むのでなかなか広がらない。笑っちゃうぐらいに作家を知らない。故に、友人らが薦めてるものってのはそれだけで興味が出るのだよね。そのツイートには特に内容が書かれていたわけでは無いんだけど「何度も読んでいる」というのと「アメリカのスモールタウンについての本」というのにぐわッ!と興味を持って、すぐさま反応してしまった。普段、タイムラインはザーッと流し読みしているぐらいなので、そのつぶやきが目に止まったのは今思えば本当にラッキー。一緒に紹介されていた映画もめちゃ面白そうだった。

靴の中に靴

早速、アマゾンでKindle対応しているかと探してみたが、残念ながら電子書籍化はされていない。そもそも、この本の著者・駒沢敏器氏の著作に関してはひとつも電子化されていなかった。駒沢氏自身は、残念なことに2012年に不幸な形で亡くなられている。読みたいのはやまやまだが、バンコクの中古書店で見つけられる可能性はさすがに低い。とりあえず、日本に帰った時にでも探してみようと思っていた。数日後、件の友人から「見つけたよ」と連絡が来た。しかも、こちらへと送ってくれるという。そこそこの友人であれば、さすがに厚かましくそこまでのお願いはできないし、恐縮してしまうところ。でも、この友人に関してはお互いに泥酔した状態でも会っているし、勝手に「かなりの友人」という認識があるので甘えさせてもらうことにした。

更に数日後。果たして、その本は会社の机へと無事に届けられた。本を待つなどというのは、かなり久々の感覚。特に、こっちに来てからはほとんどの本はKindle経由で読んでいたので尚更だ。いそいそと封を開け、その場で読みたいのを堪えて鞄に詰め込む。帰ってからもまだ取り出さず。娘を寝かしつけて静かになったリビングにて、タイの労働者の友である安ビール「リオ」とグラスをセッティング。つまみはツナ缶。バーボンとジャーキーみたいな方がそれっぽいのかもしれないけど。そして、ようやっと本を鞄から取り出した。昔なら絶対にタバコを吸いながら読んだろう。

ビールとともに、ページをめくる。あー、これは確かにスモールタウンの話だ。陳腐だけれど、頭の中にはジョン・クーガーが流れてくる。「Small Town」だったり「Jack & Diane」だったり。内容も素敵だし、文章の清廉さというかリズムがこれまたすごくいい。一気に読んでしまいたい衝動に駆られたが、この本はきっと繰り返し、何度も読むことになる。そう、友人の言葉通りに。だから焦ることはないのだ。半分ほどのところで栞を挟んだ。

アメリカは、なんだかんだ憧れの国ではあった。いくつかの機会があって、本土にも何度か。でも、その時にはあまり感銘を受けた記憶がない。白人や英語にめちゃビビった記憶もある。ドメインの話の時にも書いたが、映画の「アウトサイダー」や「ウエストサイド物語」「ブレックファスト・クラブ」とかが好きで。どれもホントにベタな話だし、決してスモールタウンの話ではないのだけれど、端々にスモールタウン的なものが出てくる。俺は、この本の舞台にもなっている「アメリカのスモールタウン的なもの」への憧れが強かったのかもしれない。やもするとサスペンスやホラーの舞台になりがちな、ムラ的なスモールタウンも含めて、俺の頭の中のアメリカはなんだかこういうところだったようだ。

初日に半分まで読んだが、結局その後3回読んだ。文章が本当に素敵だったので、すぐに手に入りそうだった(そして比較的安かった)「街を離れて森のなかへ」と「地球を抱いて眠る」も購入。実家に送ったので、何かのついでに送ってもらおう。他にも「ミシシッピは月まで狂っている」とかも読みたい。ここを読んでいる、本の賢者な方々「駒沢敏器好きなら、○○も読んでみたらいいよ!」ってのがあったら、ぜひ教えて欲しい。